ピンク・トパーズ(加熱)

加熱ライブラリ
2018年06月29日

トパーズは、古代エジプト・ローマ時代から使われていた宝石です。しかし中世にはあまり好まれなかったようで、記述も見当たりません。近世になり、 1678年に出版されたフランスの宝石商タベニールの旅行記「インドへの旅」には、ミャンマー(ビルマ)でルビー、スピネル、イエロー・トパーズ、サファ イヤ、ヒヤシンス(ジルコン)、アメシストなどを産出し、中でもトパーズが大切な黄色の宝石であったことが記されています。18世紀にはスペインとフラン スで人気が出て、ダイヤモンドが周囲にセットされたジュエリーに使われました。また19世紀のはじめには、フランスとイギリスでイヤリングやネックレスの 主石として、トパーズとアメシストが人気が高かったといわれています。

トパーズは黄色のほか、無色、淡いブルー、グリーン、ピンクなどが見られ、まれに赤を産出することもあります。ピンクと赤はクロムによって色が生まれ、他 の色は自然界の放射線あるいは他の元素によって生じるものです。またトパーズのモース硬度は8と比較的硬いため、研磨面がスムーズで光沢を得ることができ ますが、一方で劈開性が強いために研磨が難しいのも事実です。

ピンク・トパーズはローズ・トパーズともいわれ、非常に美しい宝石です。ちょうど、美しいピンク・ダイヤモンドやスリランカ産の輝きのある淡い色のルビー に似ています。ピンク・ダイヤモンドは非常に高価であり、スリランカ産ピンク・ルビー(淡い色のルビー)はカットが不揃いで、ジュエリーとしては使いにく いものが多いことから、ピンク・トパーズは価格と品質両面において他の二者より優れているといえるかもしれません。

Ring, Platinum
Pink Topaz 1pc
3.59 ct
Heated
Diamond 8 pc
0.83 ct
US $12,000
Name of mineral : Topaz
Mohs hardness : 8
Refractive index : 1.619~1.627
Specific gravity : 3.53

Weight: 9.09 ct
Size (mm) : L 15.6 x W 10.3 x D 6.43
Heated
Gem Quality
US $14,000

産地の特色と種類

ブラジルのミナス・ジェライス州が世界最大のトパーズの産地です。無色、淡いブルー、黄色、シェリー(オレンジみの黄色)を産出し、時には200kgを超 える大きな結晶も産出されます。トパーズはブラジルのほかにも、ロシアのウラル地方、パキスタンなどでも産出されています。似たような色でもアクアマリン は宝石ですが、ブルー・トパーズの場合、現在市場に出ている大部分のものは天然ではなく、人工の放射線処理ブルー・トパーズで、宝石としての価値はほとん どありません。


イエロー・トパーズ
シェリーカラーに対して、レモンカラーのものをイエロー・トパーズと呼びます。トパーズの場合、レモンカラーはシェリーカラーに比べてあまり好まれないよ うです。イエロー・サファイヤの場合に、レモンイエローがオレンジイエローより人気が高いのと対照的だといえます。レモンカラーにも濃淡があり、特に淡い めのものは希少性が低く、価値が低いものです。黄水晶をシトリン・トパーズということがありますが、シトリンはクオーツ(水晶)であり、トパーズではあり ません。

インペリアル・トパーズ
シェリーカラーのトパーズはインペリアル・トパーズと呼ばれ、ブラジルのミナス・ジェライス州が主な産地です。本書では取り上げませんでしたが、イエロー 系トパーズのクオリティスケールでは、このインペリアル・トパーズがビューティグレードのSになります。シェリーカラーにも濃淡があり、ブラウンみがかか らない濃いめのものが最高とされます。

ピンク・トパーズ
ピンク・トパーズはパキスタン産の天然の色のものと、ブラ ジル産のオレンジカラーを加熱したものがあります。パキスタン産のものは多少バイオレットがか かっているのが特徴で、ブラジル産のオレンジカラーは濃ければ濃いほど加熱に大きく反応し、美しいピンクになります。この場合の加熱は、自然がやり残した ことを人間が補足しているという考え方から認められています。なぜなら宝石に内在する素質の有無が結果を決めるからです。写真のピンク・トパーズはブラジ ル産で、加熱処理が施されています。

品質の見分け方

ピンク・トパーズは赤というより赤紫の淡いもので、ピンク・ダイヤモンドに似ています。ジェムクオリティのピンク・トパーズがもしもピンク・ダイヤモンド だったとしたら、このような美しいダイヤモンドは類いまれなものであり、1カラットで1000万円を軽く超える稀少なものとなるでしょう。スリランカ産の 淡い色のルビーもピンク・トパーズに似ています。ピンク・トパーズは、褐色みのない濃いめのものがジェムクオリティとされます。

トパーズは硬度が高く、その輝きは強く、小粒のものでもかなり美しく輝きます。また赤に近いピンクの本当に美しい数カラットの品質もまれに存在します。それらはジェムクオリティのピンク・ダイヤモンドよりはるかに美しく、特別の美術品のように個別に価格がつけられます。

QUALITY SCALE
PINK TOPAZES 
Heated

選び方
本書の24の宝石の中で、ピンク・トパーズは一番知られていない宝石かもしれません。イエロー系の宝石の人気は一般的には今ひとつなのに比べて、宝石名は どうであれ、ピンクという色に対する人々の潜在需要は多いと思われます。3カラットのジェムクオリティのピンク・トパーズのまわりにダイヤモンドを十分に あしらったリングは、気品のある美しいものです。1カラットのジュエリークオリティのものも、数少ないピンクの宝石として楽しむことができます。
1カラットサイズのジュエリークオリティの価値は、石のみで、1個当たり300USドルが目安です。 (2004年)

クオリティスケール上でみた品質の3ゾーン


1カラットサイズに研磨される
宝石中で占める個数の比率

VALUE INDEX
Carat(s)GQJQAQ
315.06.01.5
12.51.00.3
0.50.70.50.15
 
 
 
-GQ-Gem Quality
-JQ-Jewelry Quality
-AQ-Accessory Quality