アンバー(琥珀)

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2018年04月28日

アンバー<琥珀>(通常加熱)古くからロザリオや御守りとして用いられてきた優しく温かみのある宝石です
アンバー<琥珀>(通常加熱)
古くからロザリオや御守りとして用いられてきた優しく温かみのある宝石です

 

アンバー〈琥珀〉は、太古の樹木が分泌した樹液が地中に埋もれ、化石化した樹脂です。アンバーの語源はアラビア語で「香気を放つ物質」という意味ですが、ドイツ語では「燃える石」と呼ばれています。アンバーは熱すると香りを放ち、火をつけると燃える性質を持っているからです。また、こすると静電気を帯びて、軽いものを引きつけます。

紀元前3700年のアンバーのペンダント、ビーズ、ボタンがエストニアから、また、紀元前2600年の宝物がエジプトで発見されています。中世ヨーロッパではキリスト教のロザリオにも使われ、貴重なものでした。19世紀後半になるとバルト海沿岸に有力な採掘会社が現れ、産出の半分に当たる低品質の原石がワニス(塗料)の原料に廻される一方、高品質の原石が宝石用として、ヨーロッパの諸都市に供給されました。特にその40%を得たウィーンは、シガレットケースやパイプなど、アンバーの喫煙具製造の中心地となりました。現在はバルト海沿岸のポーランドに近い、ロシアのカリニングラードが採掘の中心で、約5000人が従事し、世界の90%以上の産出量を誇っています。

アンバーのジュエリーは落ち着きがあり、優しく温かみのあるのが特徴です。ダイヤモンドは指を当てるとひやりとしますが、アンバーの感触からはぬくもりが感じられます。また、アンバーのネックレスは、身に着けているのを忘れてしまうほど軽いものです。その美しさは、ボリューム感、各々のビーズの品質と形、濃淡のバランスなどによって異なりますが、右の写真のネックレスは、色合いの組み合わせと、特別につけられたファセットが、美しさをきわ立たせています。


アンバーは生成時は流動的樹脂なので、古生代の昆虫を生きたまま包み込んで化石化した、「虫入り琥珀」がしばしば発見されます。古生物学のみならず、遺伝子の研究者からも注目される神秘的なものです。

アンバーは使っているうちに、淡い黄色が濃くなったり、黄色が赤みを持ったりしますが、その程度は種類によって異なります。

Pendant, Gold
Amber 1pc
0.37g
Heated
Diamond 1pc

 
Name of Mineral : Amber Mohs Hardness :2~21/2 Refractive Index :1.540 Specific Gravity :1.08 39pc Total Weight: 50.59g Heated Gem Quality

産地

アンバーは地表近くに埋まっているので、埋蔵量がおおよそ推定できます。その埋蔵量はバルト海沿岸のエストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ドイツ、デンマークの海岸線に、世界の3分の2があるといわれています。約4000万年前、スカンジナビア半島の森で生まれた莫大な量の樹脂が川に流され、かつては海だったこの地域に堆積してアンバーになったと考えられます。そのほか、カリブ海のドミニカ共和国、日本の久慈(岩手県)など、世界各地で産出されますが、現在バルト海沿岸は、アンバー産出量の90%以上を占める地域です。

原石

数十センチから数ミリまで、大きさはさまざまです。

現在は70%がネックレス用のビーズに研磨され、ほかはカボション、彫りものにされます。

Weight : 9.01 g
Untreated

不定形のもの

表面を磨いただけの不定形のものは、ジュエリーの品質ではありません。小さいものは穴をあけられてネックレスに、3~4センチのものはポケットに入れて持ち歩く御守りとして使われます。

ビーズ

ビーズとして代表的な形が、丸と下の写真のようなバレル(樽)型とオリーブ型です。上の3個の白濁したものは天然のままの色、下の4個は加熱処理をして、透明度を出したものです。ビーズはネックレスのほか、ロザリオや数珠などの宗教用品としても使われています。

 

バレル(樽)型
3 pc Total Weight : 1.77 g
Untreated

バレル(樽)型

オリーブ型
4 pc Total Weight : 3.63 g
Heated
3 pc
Total Weight : 17.9 g

明度と色の名称

自然の産出のままで clear(透明)なアンバーは、全体の15~20%です。dull(半透明)の、明度3のものをオーブンに入れ、2~3か月の間、30~120℃の熱を加えるとより不透明になり、dull2、4のように変化します。また、同じdull3を短期間圧力釜に入れると、clearの2になります。 clear3、4、5は、そのclear2をオーブンに入れ、熱処理をして表面を濃くしたものです。dull2、4をオールド・カラー(伝統的な色)といい、dull1がホワイトです。また、clear5がコニャック色で、clear2はレモン色です。一般に「琥珀色」といわれているのは、dull3の色です。

品質の見分け方

市場に出ているアンバーの95%は良質のものです。ほかの宝石では難しいことですが、アンバーは美しいと思う形と色を、さまざまなものから選ぶことができます。

アンバーのおもな色は、琥珀色とコニャック色で、最近は透明なレモン色も人気があります。どれが高価ということはないので、好みで選ぶのが良いでしょう。

また、内部が透明であるか、きらめいているかも、まったく好みの問題ですが、多くの人がきらめくものを、より自然に見えるものとして好みます。

COLOR SAMPLE AMBERS
Often Heated

 

10ミリ前後に研磨される
アンバー中で占める個数の比率

 

選び方

国によって好みが違います。アンバー研磨業者によると、アラブへはホワイトとオールド・カラー、ドイツへはコニャック色、日本へはレモン色の出荷が多いとのことです。

美しさの劣るものは別にして、自分の感性に合うものを選ぶことが大切です。ネックレスでは、サイズによって小売価格100~2,000ドルで上質のものが手に入りますが、50ドル以下では品質の低いものになります。

合成樹脂やガラスなど、アンバーに似たアクセサリーも多くありますが、それらは鋳型に流し込んで作られる人造品です。数千万年前に自然の力で創られ、人間の手で研磨加工されることによって、美しさが引き出されたアンバーとは本質的に違います。美しいアンバーを、ジュエリーに、もっと活用したいものです。

10ミリのビーズのジュエリークオリティの価値は石のみで一個あたり7USドルが目安です。(2001年現在)

Cabochon
Weight : 1.83 g
Size (mm) : φ 19.8 × D 7.79
Heated
Gem Quality