ザンビア産エメラルド(オイル処理)

ライブラリ
2018年05月04日

エメラルドの産地として現在コロンビアに次いで重要なのが、アフリカ南部のザンビアです。ザンビアでのエメラルドの発見は1931年でしたが、商業的生産 に入ったのは1967年頃、ミク鉱山からです。産出はピーク時には月間40キログラムにまでなりました。その後カマカンガ鉱山などつぎつぎと採掘が開始さ れ、100カラットを超える透明度の高いエメラルド原石も発見されて採算が取れているようです。ザンビアのエメラルド原石の形はコロンビア産のような六方 柱形ではなく、結晶の形が崩れています。

ザンビア産エメラルドは半数以上が国外に持ち出され、インド、イスラエル、ドイツなどの国で研磨されています。ザンビア産とブラジル産は色みも似ているものが多いため、研磨業者は両山地とも同じように扱って、特に低品質のものは混ぜて売られます。

ザンビア産、ブラジル産のグリーンはバナジウムに起因しており、コロンビア産のクロムとの差が美しさの違いに表れてくるようです。エメラルドはベリルとい う鉱物で、べリルにはグリーン以外にもいろいろな色があります。グリーンのべリルの中でも、グリーンがバナジウムやクロムに起因しているものをエメラルド といいます。グリーンが鉄に起因しているものは通常薄いグリーンをしていますが、たとえ色がエメラルドのように濃くてもグリーンべリルと呼ばれます。

ダイヤモンドを10とするモース硬度では、エメラルドは7~8で、水晶の7よりは硬いのですが、不純物や亀裂が多く、もろい特性があります。ジュエリーとして身につけるときは十分に配慮することが必要です。

ザンビア産のエメラルドグリーンは、コロンビアのものと比べブルーが強いものが多く、グリーンの深みに欠けるものも見られます。けれども、0.5カラット サイズにはかなり魅力的な品質のものが存在し、リングやペンダントなどの比較的手ごろな価格のジュエリーの主石として有用な素材です。しかし数カラットの ものはコロンビア産と比較すると、残念ながら美しさに大きな差を感じます。

Ring, Platinum
Zambian Emerald 1pc
0.63 ct
Oil-treated
Diamond 9 pc
0.93 ct
US $13,000

Name of mineral : Beryl
Mohs hardness : 7 ~8
Refractive index : 1.577~1.583
Specific gravity : 2.72

Weight: 1.40 ct
Size (mm) : L 8.0 x W 7.9 x D 4.87
Oil-treated
Gem Quality
US $17,000 Weight: 1.40 ct
Size (mm) : L 8.0 x W 7.9 x D 4.87
Oil-treated
Gem Quality
US $17,000

鉱山の特色

現在のエメラルドの主要産地はコロンビアで、世界のシェアのおよそ50%を占めています。ザンビアが約20%、ブラジルが15%、次がジンバブエといわれ ています。エメラルドビジネスはパラレルマーケットが多く、正確なデータは入手不可能です。その他、パキスタン、アフガニスタン、オーストラリア、マダガ スカル、タンザニア、ロシアなどで産出しますが、市場に影響力を持つ量には達していません。

コロンビア産

コロンビア産エメラルドは、原石が六方柱形で産出するものが多いのが特徴です。この原石の特徴を生かして、周囲に皮のようについているグリーンの層を残 し、また重量を保つために、通常の場合エメラルドカットに研磨されます。宝石の形はこのように原石の形に制約されることが多く、ダイヤモンドでもペアー シェイプカットやマーキスカットは、天然の与えてくれた原石の形を生かして目減りを最小限にするような方向で研磨されているのです

ザンビア産

ザンビア産エメラルドの原石は丸みを帯びているため、オーバルカットに研磨されます。エメラルドカットにすると小さく仕上がってしまうケースがあるためで す。ザンビア産が一部のブラジル産と色み、原石の形、インクルージョンが類似しているのは面白い現象で、その生成過程が同じためと思われます。ザンビア産 はオーバルのほかに、ペアーシェイプカットにされるものも多く見られます。

ジンバブエ産

ジンバブエ産は、その鉱山の名サンダワナエメラルドとして知られています。カットされたサンダワナエメラルドの平均目方は0.08カラットと小粒ですが、 黄色みのグリーンで独特の美しい色みをしているエメラルドです。サンダワナエメラルドはラウンドやスクエアに研磨されて、高品質なジュエリーの素材として 使われています。研磨は大半がジンバブエで、一部がインドのジャイプルで行われています。

QUALITY SCALE
ZAMBIAN EMERALDS 
Oil-treated

品質の見分け方

ザンビア産のエメラルドグリーンはコロンビア、ジンバブエのそれとは異なります。グリーンはバナジウム元素がその原因だと思われますが、ザンビア産のグ リーンは石全体に均一に分散していて、コロンビア産は色が表層に片寄っています。均質な素材のザンビア産よりも、不均質なコロンビア産のほうが魅力的に見 えるのは不思議ですが、それは透明度、彩度、多色性、色の豊かさ(深み)、キズ、色相(色み)など、さまざまな要素が複雑に絡み合っているからなのです。
ザンビア産エメラルドは0.5カラットを中心に、オーバルシェイプカットで美しいものが見られます。透明度が高く、色に深みがあるものも存在し、高品質な ジュエリーの素材となります。しかし大部分はオイルや樹脂含浸が施されたアクセサリークオリティで、明度が4~3、ビューティグレードがC、Dのゾーンに なります。2カラット以上のものも研磨されますが、色の均質性が原因してか、コロンビア産が持っているような温かい優しさに欠け、ブルーみの強い冷たい色 みが見られます。

選び方

0.5カラット前後のアクセサリークオリティのエメラルドを求めるには、ザンビア産のオーバルカットが最適です。アクセサリークオリティでは、通常の場合ブラジル産と区別せず一緒に扱われます。

コロンビア産にはない別のグリーンを楽しみたい時、またオーバルカットやペアーシェイプカットを探す場合は、ジェムクオリティが少なくともジュエリークオ リティのものを選んで、経年変化による美しさの低減を心配しない品質を求めたいものです。100万円を超えるジュエリーの主石の場合は、例外を除いて美し さの勝るコロンビア産が適しているといえます。

1カラットサイズのジュエリークオリティの価値は、石のみで、1個当たり2,500USドルが目安です。(2004年現在)

(宝石1 / ザンビア産エメラルド (オイル処理)に掲げた値段とジュエリークオリティの価値は、軽度のオイル処理の品質をベースにしたものです。極端にオイル処理等をしたものは一見美しく見えますが大幅に安いものがあるので、注意が必要です。)

1カラットサイズに研磨される
宝石中で占める個数の比率

クオリティスケール上でみた品質の3ゾーン

価値指数表

ct sizeGQJQAQ
312.02.50.5
14.01.00.1
0.51.00.20.05


pic10