ラピス・ラズリ(無処理)

ライブラリ
2018年05月09日

ラテン語でラピスは”石”、ラズリは”青”を意味しています。しかし中性になるまでラピス・ラズリという呼称は使われず、古代ギリシャ・ローマではこの青 い石をサファイヤと呼んでいました。エジプトでは紀元前3100年ごろからラピス・ラズリのビーズ、スカラベ、ペンダント、象眼のジュエリーが使われてい ました。ラピス・ラズリの産地はアフガニスタン北東部のバダクシャンで、この時代、長い旅をしてエジプトまで運ばれていたということになります。ラピス・ ラズリは宝石および魔除けとして貴ばれ、また粉末にして薬や化粧品としても使われていました。

仏教徒にとってはラピス・ラズリは、平常心を保ち邪心を取り除く力を持つものとされていました。紀元前6~5世紀、孔子の時代の中国でラピス・ラズリの髪 飾りやベルト飾りが彫られていたのはこのためでしょう。中央アジアに位置するアフガニスタンのラピス・ラズリは東西に持ち出され、シルクロードから中国を へて日本へももたらされました。奈良の正倉院にはラピス・ラズリの装身具が納められています。ラピス・ラズリは和名を瑠璃といい、日本では古くからサンゴ と並んで親しまれてきた宝石の一つで、多くの文献にその名を見ることができます。

ラピス・ラズリの原石はトルコ石、ジェダイト、オパールと同様に、岩石状の固まりとなっています。この中で色のよい美しい宝石にカットされるのは、限られ た部分だけです。私の経験では、次ページの写真のように美しいものは千に一つ程度です。またラピス・ラズリには着色されたものも多いので注意が必要です。 天然のものは、アセトンを脱脂綿につけて表面を拭いても色落ちしないので、着色の有無を簡単に判定しることができます。

ほかにもラピス・ラズリは時計の文字盤、カメオ、置物などさまざまなものに使用されています。ラピス・ラズリの硬度は5 1/2で、硬度7の水晶によって傷つきますが、比較的耐久性は強く、欠けることはめったにありません。

Ring, Gold
Lapis Lazuli 1pc
2.46 grams
Untreated
Diamond 14 pc
0.14 ct
US $1,300
Name of mineral : A rock composed primarily of lazurite, calcite, ajd pyrite.
Mohs hardness : 5 ~ 6
Refractive index : 1.50~1.67
Specific gravity : 2.75



Weight: 1.26 grams
Size (mm) : Diameter 20.2 x H 8.00
Untreated
Gem Quality

カットの種類

質量ともにアフガニスタンがラピス・ラズリの主産地です。1984年の内戦では、アフガニスタン政府はラピス・ラズリを大量に売って戦費を稼ぎました。こ のためラピス・ラズリの原石が多量に西側に出回り、価格も弱含みで推移しています。ラピス・ラズリの産地としてはほかに、シベリアのバイカル湖付近、チ リ、アメリカなどがあげられます。

フラット

ラピス・ラズリはフラットにカットされますが、これはトルコ石、ジェダイト、オパールなどにはあまり見られない現象です。フラットにカットするとその美し さが最大限に発揮され、メンズリングやカフスボタン用に使われているものが多く見られます。研磨業者は耐久性と素材の規準化のため、厚みを2.5mmに定 めています。それより薄くすると耐久性に問題が生じるうえ、目方の減少を価格に反映することが難しくなるからです。

カボション

リングやイヤリング用にはカボションカットに仕上げられるものが多く見られます。しかし、特に素材の優れているものにはカボションカットは使われません。 最高品質の素材はフラットや逸品物の彫刻用に使用されます。通常カボションに使われる原石は、ジュエリークオリティかアクセサリークオリティです。また、 ラピス・ラズリはアクセサリーとして多用されています。

彫刻

ラピス・ラズリの置物や小物などの彫刻類は、素材の善し悪しと彫刻技術の優劣がその判断の基準となります。素材の善し悪しの程度は、次ページ図の枠に大方 合致させて判断します。明度とビューティグレードを同時に見るのではなく、まず明度を確定し、そのうえでビューティグレードを判定すると、かなり的確な判 断が可能となります。

品質の見分け方

フラットなラピス・ラズリの品質の場合、第一に確認しなければならないのは天然の色であるかどうかという点です。特に着色は価値に大きな影響を与えるの で、その有無や程度の確認は非常に重要で、メーカーは調達時にアセトンで検査を行います。信頼できる仕入れ先との継続的な取引が、品質安定の基本的な条件 です。

第二に、美しい瑠璃色のブルーが石全体に広がっているかどうかを見ることです。一般的にグリーンみがかかっているとビューティグレードは下がり、パープル みが豊富なものがより美しいと判定されます。明度が淡すぎるものは別にして、濃さの程度は中くらい(明度5)のものが好まれる傾向にあります。

第三に、金色のパイライトと白色のカルサイト(肉眼で見える不純物)の有無です。本書ではジェムクオリティの中でも無地の瑠璃色を最高品質としています が、パイライトがバランスよく入ったものは、多くの人の好みが反映されてビューティグレードが決められます。カルサイトは美しさを損なうので、これを含ん だものはビューティグレードを低く判定します。

QUALITY SCALE
LAPIS LAZULIS 
Untreated

1グラムサイズに研磨される
宝石中で占める個数の比率

選び方

ラピス・ラズリを選ぶなら、ジェムクオリティの”真の瑠璃色”を手にしたいものです。比較的安い値の宝石に共通していえることですが、ジェムクオリティの中でもさらに良いものを選ぶのが、賢い買い方ではないでしょうか。

そのためには宝石のわかる専門店に足を運ぶことをお勧めします。店頭にジェムクオリティのものが並んでいないことには話にならないからです。さらにまた、 通常高品質の素材には高いレベルのデザインと優れた加工がされているものなので、中途半端に安いものを購入しないよう留意すべきでしょう。

2グラムサイズのジュエリークオリティの価値は、石のみで、1個当たり300USドルが目安です。(2004年現在)

クオリティスケール上でみた品質の3ゾーン

 

VALUE INDEX
Grams(s)GQJQAQ
23.01.00.1
11.50.50.05
0.50.750.250.025
 
 
 
-GQ-Gem Quality
-JQ-Jewelry Quality
-AQ-Accessory Quality