スリランカ産サファイヤ(無処理)

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2018年05月16日

昔からサファイヤで一番好まれてきた色はカシミール産のコーンフラワーブルーといわれる豊かで優しいブルーです。今ではカシミールからはほとんど採れませんが、それに近いものがスリランカから産出されます。

スリランカで採れ、そこで研磨されているサファイヤの一部に、加熱処理されないものがあります。右の写真は、無処理のスリランカ産です。透明度があって若 干ヴェルヴェティ(ビロードのような)で、独特の味わいがあります。明度(tone)は5で、弱い光の下でも存在感があります。これより濃い、明度6と7 のものは、強い光の下ではたぐい稀な美しさを発揮しますが、弱い光の下では美しく見えません。下のリングも無処理のもので、明度は4と淡めですが、遠くか らでも美しく輝いて見えます。なお、ミャンマー産、カシミール産にも、同じく加熱処理されないものが存在します。


自然のままで美しい色の結晶は、研磨以外の加工をする必要がありません。しかしサファイヤ全体で見ると、その結晶は不透明なものや、濃すぎたり淡すぎたりするものが多いのです。 それらは数百度~千数百度の熱を加えて、透明度や色の濃淡を調整されます。

1977年頃、それまで捨てられていたギウダという無色に近いスリランカ産サファイヤの原石が、加熱処理によって美しいブルーになることが判明しました。 この原石はタイ国に大量に持ち込まれ、加熱処理と研磨が行われて世界の市場に出まわり、現在、市場の主流を占めるにいたりました。そしてその美しさについ ても一定の評価を得るにいたりましたが、加熱処理の告知は一般にいきわたっていません。


「自然のままで美しい色」と「加熱処理によって生まれた美しい色」とは、その味わいは微妙に違います。好みは個人の判断ですが、「自然のまま」か「加熱処理」 かを知ったうえで判断したいものです。


1990年代に入って、タンザニア産とマダガスカル産のサファイヤが市場に出始め、その中にはスリランカ産と同じような良質なものも見られます。なお大粒のサファイヤはスリランカ産が大半を占めています。

 

Ring, Platinum Sri Lankan Sapphire 1 pc 26.00 ct Untreated Diamond 2 pc US $130,000 Name of mineral : Corundum Mohs hardness : 9 Refractive index : 1.762 ~ 1.770 Specific gravity : 4.00

 

Weight : 4.31 ct Size (mm) : L 9.2 x W 7.9 x D 6.20 Sri Lanka,Untreated Gem quality US $25,000

無処理と加熱の見分け方
スリランカでサファイヤを手がけている研磨業者は、仕上がりの外観を見て、無処理か加熱したものかを判断できます。透明度と色の違いが美しさの差を生むからです。長年の経験から、無処理の原石がどのような仕上がりになるかを、知っているためです。

簡単に言うとサファイヤの色はチタンと鉄から生じます。これらの元素が無色または淡い色の石に入っていると、加熱で化学反応が起き、濃いブルーに変化します。コランダムの色をかえるための高い温度はしばしば宝石の内包物に大きな影響を与えます。


宝石のラボはこれらの内包物を処理の判定の重要な手がかりに使います。内包物の判定はプロにとっても難しいものなので他の機器が併用され、サファイヤの加熱の有無が判定されます。


加熱サファイヤの特徴
コランダムの加熱処理の温度は高く、ルチル、アパタイト、ヘマタイト等の他の鉱物の内包物を溶かしたり激しく破損します。48項のスノーボール・インクルージョンのような溶けた結晶がしばしば加熱処理サファイヤとルビーに見られます。

加熱コランダムに見られる別のタイプのインクルージョンは円盤のような亀裂です。これらは内包結晶が破損した時生まれた小さな亀裂です。溶けた結晶は亀裂に入り固まり、右の写真中央に見える円盤の様に縁を残すことがあります。


この種のインクルージョンは加熱処理プロセスの激しい特性を垣間見させてくれます。

シルク・インクルージョン
コランダムの中には細い針状のルチル(酸化チタニウム)が見られることがあります。これらは絹の糸のように見えるのでシルクと呼ばれます。写真のような 60度で交わるシルク・インクルージョンが肉眼で見えるもの、10倍のルーペで見えるもの、30倍の顕微鏡が必要なものと、さまざまです。スリランカの無 処理サファイヤの約30%は、シルク・インクルージョンを確認することができます。シルク・インクルージョンは加熱の時に溶けることが多いのでシルクの存 在は無処理を示唆します。処理の時、シルク・インクルージョンのチタンがブルーを発生させることがあります。十分なシルク・インクルージョンがあると肉眼 で見えるカラーバンドが現れます。

Silk Inclusions
Untreated
Magnification : 63x

Disk-Like Fracture Inclusions
Heated
Magnification : 20x

品質の見分け方
モザイク模様の美しいバランスのとれたサファイヤであることを、テーブル面から確認することが第一です。無処理、加熱処理、色の濃淡に関係なく、モザイク模様のバランスの良さは、ファセットカットされた宝石の美しさを判断する基本です。


特にスリランカ産の無処理サファイヤは、自然の状態を大切にするため、姿・形の極端に悪いものが多く見られます。あまり神経質になる必要はありませんが、 たとえばトータル・デプス(宝石の短辺に対する深さの比率)は50~80%の範囲のものであるという目安を、売り手が方針として定めておくことが必要で す。そのような裏付けが、買い手を安心させる基本になるでしょう。またキズを厳しく見すぎて、美しく魅力的な素材を逃すことがないようにすることも大切で す。肉眼でも目立つキズ、色ムラは別にして、美しさに大きく影響を与えないものは、枝葉のことと考えるのが適切です。特に絹糸のように見える典型的なシル ク・インクルージョンが存在する場合は、天然の証でもあり、またその形にくずれのない場合は加熱処理されていないことが多いと考えられます。

シルク・インクルージョンは美しさを大きく損なわない限り、プラスの要素と考えることも可能です。


QUALITY SCALE
UNTREATED SRI LANKAN SAPPHIRES



選び方

スリランカ産、ミャンマー産、カシミール産、ともに選び方のポイントは、2カラット以上の場合、色の濃淡にかかわらず、美しいモザイク模様の確認が大切になります。また小粒のものは、濃すぎるよりも、淡めのものを選ぶことです。ジュエリーとして身につけるものは、いろいろな光線の下で輝くことが重要です。色が淡めの大粒サファイヤは、美しく価格も手頃なのでおすすめです。3カラットサイズのジュエリークオリティの価値は石のみで1個当た4,000USドルが目安です。(2001年現在)

A GEM OF VALUE

VALUE
Weight:4.80ct
Size(mm):L9.3 x W8.5 x D6.45
Untreated 
Jewelry Quality
US $6,000

クオリティスケール上でみた品質の3ゾーン

 

3カラットサイズに研磨される
宝石中で占める個数の比率