キャッツアイは、通常クリソベリル・キャッツアイを指し、光を当てると縦一条に引き締まった線が出る様子が猫の目に似ていることから、この名がついていま す。1世紀の終りにはすでにローマ人に知られており、東洋では目と目の間の額に押しつけると「先見の明」が得られると信じられてきました。また原産国であ るスリランカでは、「悪魔から身を守る宝石」といわれていました。
キャッツアイは、光の帯がカボションカットの中心にくっきり出るものが好ましく、その帯は光源を動かすと左右に移動し、両側の色合いが変化します。右の写 真のように、光源に近いほうがハニーカラー、遠いほうが半透明なミルキーに見えるものが珍重されます。 この光の帯の出る効果をシャトイヤンシーといい、 フランス語で猫を意味するシャット(chat)に由来します。シャトイヤンシーは、石の内部に平行して並んでいる無数の針状のインクルージョン(内包物) によって起こります。インクルージョンが光を反射し、カボション曲面がそれを収斂させ帯状のシャトイヤンシーが現れるのです。
カボション面が高すぎると、はっきりした細い帯が出ますが、左右の動きは少なくなります。一方、低くカットすると広く波打ってはっきりしなくなります。そしてカットの仕方が悪いと、帯は中心から外れたり、ななめに横切ることになります。
キャッツアイは、白熱灯の下と蛍光灯の下では色が変化するアレキサンドライトと同一の鉱物で、稀にこの二つの効果を同時に持つ、アレキサンドライト・キャッツアイが存在します。
ニューヨークの、クリスティーズやサザビーズのオークションでは、メンズのリングにセットされた5カラットを超えるキャッツアイが時々出品されます。耐久 性に優れるため、米国では男性に好まれる宝石ですが、日本では比較的小粒の2~3カラットのものが、女性のリングに仕立てられて販売されてきました。 現 在の産出地は、スリランカ、タンザニア、ブラジル、インドです。

Ring, platinum
Cat's-Eye Chrysoberyl 1pc
2.50 ct
Untreated
Diamond 30 pc
Name of mineral : Chrysoberyl
Mohs hardness : 8 1/2
Refractive index : 1.746~1.755
Specific gravity : 3.73

Weight : 21.59 ct
Size (mm) : L 14.8 x W 12.1 x D 11.82
Untreated
Gem Quality
シャトイヤンシーの宝石
キャッツアイと呼ばれる宝石は、通常クリソベリル・キャッツアイを指しますが、ほかにもエメラルド、トルマリン、クオーツ、アパタイト、ジルコンなど、約 50種類のシャトイヤンシーの出る宝石があり、宝石名の後にキャッツアイをつけて呼ばれます。これらの宝石のうち、針状のインクルージョンが一定方向に含 まれるものをカボションカットすると、光を当てた時に収斂が起こり、シャトイヤンシーが現れます。


Weight : 1.92 ct
Size (mm) : L 6.5 x W 6.4 x
D 5.73
エメラルド・キャッツアイ
ブラジル産のエメラルドに良質のエメラルド・キャッツアイが見られることがあります。色が濃く、シャトイヤンシーのよく出るものは非常に高価で、5カラッ トで2万ドルを超えるものもあります。最近では、コロンビア産のエメラルド・キャッツアイも見られます。写真はブラジル産のものです。
トルマリン・キャッツアイ
量としてはかなり産出されますが、宝石として透明度が高く、かつシャトイヤンシーのよく出る品格のあるものは、多く見られません。低品質のものは不透明 で、インクルージョンが多いためシャトヤンシーは出やすいのですが、透明度が高くなればなるほど針状のインクルージョンは少なくなり、シャトイヤンシーが 出にくくなるという矛盾があるからです。トルマリン・キャッツアイの色は、おもにグリーン、ブルーです。

Weight : 4.79 ct
Size (mm) : L 12.1 x W 9.0x
D 5.57

Weight : 10.15 ct
Size (mm) :Diameter 14.8 x D7.04
タイガーズアイ
タイガーズアイはシャトイヤンシーを示すブラウンのクオーツです。色違いでブルーやグリーンのシャトイヤンシーの出るクオーツは、ホークスアイと呼ばれます。タイガーズアイは南アフリカから非常に多く産出され、安価なものです。
品質の見分け方
キャッツアイの品質のポイントは、第一にシャトイヤンシーの出方の具合、第二に最適な色と透明度、そして第三に姿・形となります。また、いうまでもなく、美しさを損なうほどの大きなキズは、品質を低くし価値を下げます。
間接照明下では光の帯が横に広がりますが、まっすぐに直接光を当てると、良質のものは一直線にしまった細い光の帯がカボションの真ん中に現れます。光の帯 は石の色が透明になるほど弱くなります。つまり針状のインクルージョンが少なくなると、帯は見えなくなるのです。一方、あまりに石の色が不透明になると帯 は明確に出ても、素材が良いものとはいえません。また、光の帯がカボションカットの縦方向に長く出るものが、より好まれます。シャトイヤンシーをよく出す ために、通常底部はすりガラス状にします。そこに原石の表面が残ることがありますが、問題はありません。それに加え、底部が深すぎてジュエリーにセットす る障害にならないことが、ジェムクオリティの条件です。
キャッツアイの色は、前ページの写真のようなミルク・アンド・ハニーカラーが理想ですが、ほとんどはハニーカラーではなく、レモンカラー、グリーンみのイ エロー、黒みのブラウンのものです。インドのオリッサ州で産出されるキャッツアイには、グリーンみのある形の整ったものが多く見られますが、産出が多いた め現状では安価です。クオリティスケールの1C、1Dはオリッサ産で、ほかは現在の主要産地スリランカ産とブラジル産で構成されています。
選び方
シャトイヤンシーがはっきり出ていて、動かすとハニーカラーとミルキーな部分がバランスよく変化し、姿・形の良いものを選ぶのが理想です。しかしこのよう なものは、ほとんど存在しないのが現状です。リングのメインストーンとして適切な7~8ミリのキャッツアイは2カラットを超えますが、姿・形のおさまりの 良いものというのを絶対条件に、シャトイヤンシーの出方とカラーのどちらかに重点を置いて選ぶのが現実的です。特にルースで買う場合、底の部分が深すぎる ものは選ばないように注意する必要があります。底が大きいとジュエリーとしてセットするのが困難で、結局使われない宝石になってしまう恐れがあるからで す。
3カラットサイズのジュエリークオリティの価値は石のみで1個当たり5,000USドルが目安です。(2001年現在)

クオリティスケール上でみた品質の3ゾーン

3カラットサイズに研磨される
宝石中で占める個数の比率

A GEM OF VALUE

Weight:4.69ct
Size(mm):L9.6 x W9.3 x D5.43
Untreated
Gem Quality
